
〜 大自然を生き抜いた逞しさと、職人のプライド 〜
あなたの日々に寄り添い、共に育つ “運命の出会い”
はじまりは、広島の深い森から
単なる「駆除」で終わらせない。人間の都合で奪わなければならなくなった命に、最大級の敬意を払うことからこのプロジェクトは始まりました。
かつて、人と自然はもっと近いところで、お互いをリスペクトしながら生きていました。いま、広島の豊かな里山では、増えすぎたシカやイノシシたちが農作物を荒らすなど、深刻な問題に直面しています。東広島市だけでも年間約5000頭もの野生動物が、里山を守るという理由で駆除されているのが現状です。
オオカミなどの天敵の不在や地球温暖化など、様々な要因が重なり増え続けてしまった彼ら。本来シカは繁殖力が強く、メスは一生に約18頭もの命を繋ぎます。何もしなければ、かつて美しかった里山は鉄柵や電気柵で覆われ、やがて彼らは食料を求めて市街地にまで進出してしまいます。
「人間の都合で奪わなければならなくなった命がある」
それが、私たちが向き合わなければならない厳然たる事実です。ならば、ただ排除するのではなく、山からいただいた尊い恵みを余すことなく次の未来へつなぎたい。「広島ジビエレザープロジェクト」は、そんな森への祈りと、ひとつの責任から始まりました。

手作業で作られる革製品
森をまもり、未来へつなぐ命のリレー

生息数が増え続けているニホンジカ

わなを仕掛ける様子
お肉として流通するのは、全捕獲数のほんのわずか。処分されていた「皮」をもう一度新しく輝かせるための挑戦です。
東広島市内には、現在も約15,000頭のシカが生息しているといわれています。豊かな自然の恵みをたっぷり受けて育ったシカたちは、毎年7,000頭近くの子供を産み落とします。生息数を最適なバランスに保つため、地元の猟師さんたちの手によって慎重に狩猟が行われています。
捕獲されたシカやイノシシは、豊栄町にあるセンターへと大切に持ち帰られ、まずは「ジビエ肉」として熟練の技術で精肉加工されます。しかし、お肉として流通するのは全体のほんのわずか。皮や角といった部位は、活用されることなく処分されてしまうことがほとんどでした。
「この大切な皮を、もう一度新しく輝かせることはできないだろうか」
その強い想いから、地域と、専門センター、精度高く想いをつなぐ私たち作り手(BELL'S)が手を取り合う形で、お肉を処理する過程で出る皮を有効活用する試みがスタートしたのです。
地域・センター・工房が一体となって命を繋ぎます
皮から「革」へ。職人の熱気が満ちる伝統のタンナー(鞣し工場)
巨大な木製ドラムから溢れる、大自然の熱気。家畜の革の何倍もの手間暇をかけ、熟練の職人たちが「皮」を「上質な革」へと仕上げてしていきます。
野生の動物たちは、一頭一頭がまったく違う環境で、自分の力で生きています。だからこそ、その皮を加工するには、綺麗に管理されて育った牛革や豚革の何倍もの時間と、熟練の技が必要です。一度に大量に確保することはできず、野生相手ゆえに仕入れも不定期。
それでも、解体時に傷をつけないよう細心の注意を払い、丁寧に剥ぎ取られた皮は、冷凍保存されて信頼できる革の加工業者(タンナー)へと引き継がれます。毛を綺麗に除去する下処理から、植物のタンニンを使用した伝統的な「鞣(なめ)し」の工程まで。ジビエセンターと職人たちが何度も試行錯誤を重ね、ついに皮は、呼吸を続ける上質な「革」へと生まれ変わりました。それが、私たちが誇りを持って名付けた〈広島ジビエレザー〉です。
伝統的なドラムで行われる鞣し作業
定着・水洗い後、天井高くへと吊るす乾燥工程
タンナーの工場内は、常に水と薬品、緊張感と革の独特な香りと職人たちの熱気で満ちています。精密なマシンで美しく染色された革は、一度綺麗に水洗いされ、発色をしっかりと定着させる工程へと進みます。
その後、水分を含んだ革を職人が手作業で1枚ずつ丁寧に広げ、シワを伸ばしながら、天井高くへと吊るしてじっくりと乾燥させてしていきます。広い工場内の天井を埋め尽くすように革が並ぶ光景は圧巻の一言。この気の遠くなるような時間の連続を経て、ようやく理想の色彩をまとった美しい革が姿を現します。
信頼の証 ― すべて「産地明確な革」だけを使用
「どこで、誰の手で、どのように」生まれた革なのか。全国の猟師や職人と手を取り合い、土地の物語が明確な革だけを扱っています。
最初は広島のシカやイノシシの革から始まったこの歩みは、今では兵庫・千葉・奈良・北海道など、日本各地の“ご当地ジビエ”へと広がっています。各地の猟師さん、処理場のスタッフ、そして鞣し職人たちが手を取り合い、“土地の物語”を革に託す特別なプロジェクトへと成長してきました。
私たちが扱うジビエレザーは、すべて捕獲地・加工地が明確なものだけ。「どこで、誰の手で、どのように」命と向き合い生まれた革かを大切にしています。それぞれの革には、人と自然が丁寧につないだ、温かい物語が刻まれているのです。

鎌倉時代から革の生産が盛んな兵庫県

タンナーでは昔ながらの方法で鞣されます

表情豊かな革を作ります
精密な自動スプレーマシンによる「美しい染色」。革の呼吸を止めないよう、薄く、均一に色を重ねてしていきます。
乾燥を終えた革に鮮やかな色彩を吹き込むのが、この染色工程です。タンナーの職人が革の目の細かさや厚みを慎重に見極め、専用のマシンをコントロールしながら、網の上を流れる革へ均一に染料を吹き付けていきます。
ジビエレザー独特の豊かな表情や、生きた証であるシワや傷を完全に塗りつぶしてしまわないよう、絶妙なバランスで施されるこの高度な染色技術。マシンの正確性と職人のシビアな目があるからこそ、透明感があり、使うほどに深みの増す極上の仕上がりへと育ちます。
精密なマシンで行われる確かな染色作業
傷跡は、大自然を生き抜いた「勲章」
シカたちが山々を駆け巡った命の記憶。私たちは傷やシワを隠すような厚化粧の加工はせず、その個性をそのまま活かします。
当工房では、たくさんのストーリーと大自然のエネルギーが詰め込まれたこの〈広島ジビエレザー〉を使い、スタイリッシュでシンプルな革製品を手作りしています。
手にとって見てみてください。そこにある小さな傷やシワ、豊かな毛穴の跡。それは、彼らが広大な山々を駆け巡り、力強く生きていた「命の記憶」そのものです。
私たちは、その個性を隠すような厚化粧の加工はしません。1枚1枚の革と対話し、触れ、その個性が一番美しく輝く場所を見極めて、丹念に一つひとつのパーツを手作業で仕立てていきます。野生の革は個性がとても強く大量生産はできません。いただいた命に感謝を込め、息を吹き込むように製品へと仕上げています。

生きていた時の傷も

表情豊かな鹿革

それぞれの個体差も
職人の手仕事が吹き込む、命の記憶と温もり
一針一針に魂を込めて。愛用の「足踏みミシン」がリズムを刻み、柔らかく伸びやすいシカ革を寸分の狂いなく縫い上げます。
革の個性は千差万別。色、厚み、質感、そして動物たちの生きた証である傷跡。職人はそのすべてを「見て、触れて、感じて」、一枚の革と丁寧に向き合います。裁断はミリ単位の精度で行い、部位ごとに最適なパーツ配置を選定。それぞれの革が最も美しい形に仕立てられるよう、無駄のない裁断と全体のバランスに極限までこだわります。
使い込まれた足踏みミシンで一針ずつ縫製

慎重に切り出されたパーツは、熟練の職人の手によって組み上げられ、いよいよ縫製へと進みます。当工房で活躍するのは、長年愛用し、完全に身体の一部となった「足踏みミシン」。
「カタカタカタ……」と心地いいリズムを刻みながら、特に柔らかく伸びやすいシカ革を、歪みなくまっすぐ美しく縫い上げるには、足元の繊細なペダルコントロールと長年培った高い技術が要求されます。機械任せの大量生産では決して真似できない、糸の締まり具合やコーナーの美しい処理。
一針一針に職人の美意識と想いが宿るからこそ、手にした瞬間に、他にはない圧倒的な温もりと風格を感じていただけるのです。
あなたと森がつながった、世界にひとつの証明書
モチーフは「笑顔のおじさん」。お財布に刻まれるシリアルナンバーは、あなたと森が結ばれた確かな証です。
「みんなが笑顔で過ごせる社会になりますように」そんな温かい願いを込めて、安芸の広島の紅葉とシカ、長年の経験を持つ笑顔のおじさんをモチーフにした〈広島ジビエレザー〉の証を刻印しています。
お財布には、2020年4月の本格始動時の「001番」から続く、大切なシリアルナンバーが刻まれます。これは、あなたと広島の森が結ばれた、世界にひとつだけの証明書です。

思わず声が出るほどの、しっとりとした極上の質感
手に吸い付くような優しさと、驚くほどの柔らかさ。ジビエレザーの本当の美しさは、あなたが使い始めてから完成します。
指先から伝わる、極上の柔らかさと質感
森で生きていたシカたちの革に、同じものは二つとありません。植物タンニンで優しく鞣されたこの革は、触れた瞬間にハッとするほど肉厚で、まるで手に吸い付くようにしっとりと馴染みます。
この極上の柔らかさを持つ革が、あなたの手の油分を吸い、日差しを浴びることで、時間をかけて驚くほど深い艶を増していきます。
「今日はちょっと艶が増したかもしれない」「このシワは、あの旅先で一緒に刻んだ思い出だな」
そんなふうに、日々の中に「小さな発見とワクワク」が重なる、あなただけの特別なエイジング体験をお届けします。
環境と共に生きる、スマートなライフスタイルを

この心地いい革製品を選ぶことが、結果として美しい森の未来を守るフェアな選択(SDGs)へとつながっています。
私たちは、普段使いできるスタイリッシュさと、革の質感を最大限に引き出す使いやすいデザインにこだわっています。一見するとシンプルで格好いい革製品。ですがその背景には、大自然からの贈り物であり、未来の農業への応援であり、人間が作った不自然な環境に対する責任であるという、たくさんのメッセージが込められています。
けれど、だからこそ、肩肘を張らずに毎日の相棒としてくたっと馴染むまで使い込んでほしいのです。広島ジビエレザーのプロジェクトは、東広島SDGs未来都市パートナーとして、持続可能な未来へ歩みを進めています。「SDGsへの取り組みについて」

あなたの毎日に、森からの贈り物を
あなただけの物語を、ここから始めてみませんか。


